電気の基礎 ~オームの法則と合成抵抗~

第2章
第2章 電気の化学

まとめ

基礎

電流V  流れている電気(電子)の量                               オームの法則
電圧I  電流を流そうとする力(圧力のようなもの)
抵抗R  電流を流そうとする力を打ち消すもの
オームの法則  電圧 V = 抵抗 R × 電流 I

抵抗の合成
2つの抵抗R1,R2を合成したR’は
①直列接続  R’ = R1 + R2
②並列接続  R’ = 1/(1/R1 + 1/R2)

抵抗がもっと増えてN個になった場合は
①直列接続 R’ = R1 + R2 + ・・・・ +Rn
②並列接続 R’ = 1/(1/R1 + 1/R2 + ・・・・ 1/Rn)

本文
この分野、危険物ほとんど関係ないんですけどね。
計算問題で、そこそこ出題されることがあるみたいなので、時間があれば抑えておきたい分野です。
計算方法は簡単なので、解きやすくもあると思います。
計算方法は・・・。
というのは、中身がイメージしずらいので、中学校で勉強して、脱落して物理が嫌いになる人が多いです。

ということで、基礎的なところから、導出まで、解説していきます。

基礎
そのそも、電流と電圧ってなんでしょう。
それにはまず、電気が流れるとは何かについて説明しないといけません。

電気が流れると言うことは、回路の中を電子が移動し続ける状態です。 回路
回路というのは、銅線など電気を通しやすい物質をつかって、
電源(電池)と抵抗(電球等)をつないだものです。

この、回路の中を電子がぐるぐると回ることで電気が流れます。
(電子は電池のー方向から+方向に流れます。)

ここで、1秒間当たりに流れる電子の数電流とします。
これはイメージしやすいと思います。
単位はA(アンペア)です。聞いたことがあると思います。

じゃあ、よく聞くV(ボルト)はなんでしょう。
これは、電圧とよび、電子を押し出して、回路に流す力になります。
電子は物質の基礎で説明したように、すべての原子に存在するものですが、
これを、回路の中で移動させ、電流にするには力が必要です。
電池とは、電子に回路内を流れる力を与えて、電流を流すものです。

逆に抵抗は、電子の流れを止める方向に力をかけるものです。
(さらに言うと、電子の流れをせき止めることで、エネルギーを取り出すものです。
電球は、電子をせき止めて得たエネルギーを光にして、明るくします。)

イメージしにくい人は、ジェットコースターの線路のように
電池 : 下り坂                        回路2
抵抗 : 上り坂
と考えてください。

電池によって、下り坂になり、電子が流れる力(電圧)が加えられます。
抵抗に差し掛かると上り坂になり、電子が動きにくくなります。

電流と電圧、抵抗という3つの言葉が出てきましたが、これは、ひとつの式でつなぐことができます。

これをオームの法則と呼び、
電圧 V = 抵抗 R × 電流 I
となります。

抵抗Rが大きいほど、流す電子の数(電流I)が大きいほど、
電圧Vをかけて、電流を流す力を大きくする。

と考えればイメージができると思います。

抵抗の合成
上では、抵抗を1つつないだときの場合を考えましたが、
抵抗を2つつないだ場合はどうなるでしょう。
この場合、別の大きな抵抗R’を1個つなげた回路と同じ状態として考えることができます。
合成抵抗2

これを、抵抗の合成と言います。
また、抵抗のつなぎ方で、抵抗の合成の計算の仕方が変わります。

・直列接続
直列接続

この形に、抵抗を並べたときの合成抵抗R’を計算します。

抵抗の合成の仕方で、二つルールがあります。
①流れた電子は、元の電池に返ってくる。
②経路が分かれても、それぞれのルートで、オームの法則が成り立つ。

です。

直列接続では、流れた電子は下の電池に帰ってくる必要があるので、
すべての電子は抵抗R1とR2の両方通る必要があります。

なので、必要な電圧Vは

V = R1 × I + R2 × I

となります。
これは計算すると、

V = (R1+R2) × I

になります。

ここで、式の形を見ると、
抵抗の値がR1+R2の抵抗1個に電流を流したもの
と同じになることがわかります。

なので、合成抵抗 R’ = R1 + R2になります。

もっと増えて、N個になった場合は、
R’ = R1 + R2 + ・・・・ +Rn
となります。

・並列接続
並列接続

上のように抵抗を接続した場合はどうなるでしょう。
今回は、
②経路が分かれても、それぞれのルートで、オームの法則が成り立つ。
ルールが生きてきます。

上の回路では、電子が流れるルートがA,Bに分かれてます。
それぞれのルートでオームの法則が成り立つので、
Aを通る電流をI1
Bを通る電流をI2とすると、

A : V= R1× I1
B : V= R2× I2

になります。

また
①流れた電子は、元の電池に返ってくる。
ので、A、Bのルートを通った電流の足し算は、電池を通る電流Iにならないといけないので、

I = I1 + I2

ここで、V= R1× I1 なので、 I1 = V/R1 、
I2も同じく、 I2 = V/R2 なので

I=V/R1+V/R2 = (1/R1+1/R2)×V です。

ここで、合成抵抗をR’とすると、V=R’×Iより、 I=V/R’となります。
なので、1/R’ = (1/R1+1/R2) となります。

計算し直すと、R’ = 1/(1/R1 + 1/R2)
となります。

また、数が増えて抵抗がN個となった場合は、
R’ = 1/(1/R1 + 1/R2 + ・・・・ 1/Rn)

今日は以上です。

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