静電気 ~静電気とは~

第2章
第2章 電気の化学

まとめ
基本情報
帯電                      : 2つの物質が接触し、電子の移動がおき、片方が+に、
                                       もう片方がーの電気を帯びる現象
静電気                  : +と-に帯電している物質の間で、静止して動かない状態にある電気
                         および、この2つの物質の間で起きる現象

(静電気)放電         : +とーに帯電した2つの物質の間に電流が流れること。

静電気は、固体、液体、気体すべてに発生し、不導体(電気が流れない物質)に発生する。

不導体      : 電気を流さない物質
良導体(金属)    : 電気を良く流す物質
導電率(電気伝導率) :    電気の流しやすさ表す数値。
           大きいと、電気を流しやすく、静電気が発生しにくい

静電気の発生機構

静電気の種類

静電気の発生しやすいもの、防止方法

静電気の発生しやすさ

本文
今回は、危険物の火災の原因となる、静電気について説明します。

冬場のドアノブに触って、バチッといたい思いをしているので、知っている人が大半だと思います。

この静電気による火災は、乙4危険物の火災の発生要因としてよく出ます。

なぜなら、静電気は、可燃性液体の気化した蒸気を着火させるには十分なエネルギーを持っているからです。

絶対にチェックしておかないといけません。

基本情報
まず、静電気がなぜ起こるのかについて、説明します。

物質は+の電荷を持つ陽子とーの電荷を持つ電子で構成される原子で構成されています。

普通は、+と-の電荷は偏りがない状態で存在しますが、

2つの物質が接触したり、摩擦を起こすことで電子が簡単にもうひとつの物質に移動します。

移動して電子がなくなったほうは、+に、電子をもらったほうはーに電荷が偏ります。

帯電

このように、2つの物質が接触し、電子の移動がおき、片方が+に、もう片方がーの電気を

帯びる現象を帯電と呼びます。

また、このように、+と-に帯電している物質の間で、静止して動かない状態にある電気を

静電気
と呼びます。

そして、冬場のドアノブに触ったときのように、電荷に偏りがある2つの物質が接触した際に、
電流がバチっと流れる現象を、放電と呼びます。

静電気は、固体、液体、気体すべてに発生します。

また、電気を流しやすい金属のような物質や、ゴムのような電気を流さない物質と種類があるように

電気が流れやすいかについては、物質によって異なります。

金属のような電気が流れやすい物質を良導体

ゴムのように電気を流さない物質を不導体(不良導体、絶縁体)と呼びます。

また、電気の流しやすさは導電率(電気伝導率) という指標であらわすことができます。

逆に電気の流れにくさは電気抵抗という数字で表し、この二つはまったく逆の関係になります。

静電気の発生機構

静電気の要因となる電子の移動は、物が接触したり、摩擦を起こすことで発生するので、

静電気の発生機構は大きく以下の表で挙げたものになります。
静電気の種類

それぞれ、物質と物質が接触する動きであることが分かると思います。

特に、乙4で扱う可燃性液体は、流動帯電や噴出帯電に注意しなければいけません。

たとえばガソリンを注入する際、配管とガソリンの間に流動帯電により静電気が発生しますし、

ノズルから、車に注入する際は、噴出帯電が発生する可能性があります。

静電気の発生しやすいもの、防止方法

静電気の発生しやすさ

最後に、静電気の発生しやすい条件について説明します。

一番注意するのは、導電率の低い(電気抵抗の大きい)物質のほうが、静電気が発生しやすいことです。

導電率が高いと、仮に電子を受け取って-に帯電しても、電子が物質内部に移動しやすいので物質表面に電荷の偏りが発生しにくいです。

なので、導電率が低いほうが、表面がずっと+かーに帯電したままになり、バチっと放電しやすいです。

次に、液体の流れる速度が速いと、管と液体の摩擦の強さが強くなるので、静電気を帯びやすいです。

あと、湿度が低く、乾燥していると、静電気が発生しやすいです。

冬場の乾燥した時期に、静電気が問題になるのはこれです。

また、合成繊維など、静電気が発生しやすい素材と、発生しにくい素材があります。

最後に静電気を防止するには、接地をして、電気を地面に逃がすことも有効です。

今日は以上です。

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