腐食とは

第2章
第2章 化学変化

まとめ
金属の表面が酸化して酸化膜を作ったり、イオン化する等で、元の金属から劣化する現象。
鉄等がさびやすい。

腐食の進みやすさ (鋼管)
酸性、アルカリ性環境だと腐食が進行しやすい。
海水に浸している場合は進行しやすい。
表面に傷があるほど腐食しやすい。
・母材よりイオン化傾向が低い金属が接合されていると腐食しやすい。
・送電線や電車、変電所の近くだと、迷走電流により、埋設配管が腐食しやすい。

腐食防止策
表面を被覆する。
 例)亜鉛メッキ(トタン)コンクリートに埋設、樹脂等で被覆。

 (ステンレスは錆びにくいことて有名ですが、表面酸化に強いだけで、電気的な腐食はしやすく
  表面に傷がついたまま水分と接触したり、異種材質と接合すると腐食します。)

本文

腐食
腐食とは、金属材料が化学反応によって元の形を失う現象です。

腐食にも種類がありますが、
①表面が酸化し、脆くなることで形を失う。
②電気的な反応で、材料がイオン化し、形を失う。

の二つがあります。

特に鉄鋼材料は、安くて大量生産ができ、いろんなものに使われます。
しかし、錆びやすいので、腐食がよく問題になります。
特に、水にも酸にも、高温にも、電気反応にも弱いので、
これまで防錆対策の技術開発を、行いながら使われ続けてきました。

ということで、鉄鋼材料はこんな状況で錆びます。

①水に触れると錆びる。
 鉄が水に触れると、水の中にある水酸化物イオン(OH)と結合し、
水酸化鉄(Fe(OH)2)という物質を作った後、酸化鉄(Fe2O3)になり錆びます。

②酸性、アルカリ性両方に弱い
 酸性環境だと、鉄よりイオン化傾向の低いHイオンが多いため、
鉄が代わりにイオンになって分解する。

 アルカリ環境だと、OHイオンが多いため、①と同じく錆びる。

③空気中で表面が酸化する

④電気的な腐食をしやすい。
 傷をつけたり、大気に一部だけ表面が露出したすることで、
局部電池(電池を意図していないのに、電池の反応が成立し、鉄がイオン化する)
が発生し、腐食します。

 また、鉄道や、発電所変電所の地盤に流れる迷走電流によっても錆びます。

対策としては、鉄の表面を別の素材でコーティングするのが1番です。

たとえば
・金属でめっきする。 
トタン(亜鉛メッキ)
 鉄よりイオン化傾向が高い亜鉛で表面をめっき(コーティングします)。
 すると、まず鉄の表面を別の物質で覆っているので、錆びにくくなります。
 また、表面に傷が入り、鉄が露出したときに錆びにくい特徴があります。
 鉄より表面に被覆している亜鉛の方がイオンになりやすいので、表面の傷に水が付着し、
 局部電池が発生しても、亜鉛の方が先に分解することで、素地の鉄を保護します。
 なので、傷がつきやすい屋根とか壁とか建築材料に使われます。

ブリキ(すずメッキ)
 すずは鉄よりイオン化しにくいので、表面に傷がない場合は、トタンよりも錆びにくいです。ただし、傷が入ると、メッキしたすずよりも鉄の方がイオン化しやすいので、速い速度で錆びます。
 すずは、傷が入らなければ耐食性がいいのと、毒性が低いので、缶詰とかおもちゃに使われます。

トタンブリキ

他に、コンクリートに埋設したり、樹脂等錆びない物質でコーティングすることも有効です。

最後に鉄にクロムやニッケルを混ぜた合金をステンレスとよび、
錆びにくい物質として認知されています。

ステンレスは実は錆びているのですが、酸素とクロムが結合し、安定した酸化膜をつくります。
この酸化膜が、錆びてないような見た目をしているため、ステンレスは錆びにくいという扱いをされます。

ただ、電気的な腐食には普通に弱いので、ステンレス鋼管を使うことが、完全に腐食防止することにはなりません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました