比表面積と粉塵爆発

燃焼基礎
燃焼基礎 第2章

まとめ

比表面積 : ある質量(重量あたり)の表面積の和
       固体→粉末になるほど大きくなり、粒子が細かくなるほど大きくなる。
       比表面積が大きいほど、燃えやすくなる。

比表面積 暗記用

比表面積 Sm = 表面積 S /(密度 ρ / 体積V ) 

また、球体のときは

比表面積 Sm = 6 / (密度ρ * 球体の直径D)

球体の比表面積は球体の直径に反比例する。
(直径1/10倍で、体積は10倍)

粉塵爆発 : 空気中に浮遊している粉末に火がついたときに起こる爆発

粉塵爆発の性質 :  最小着火エネルギーはガス爆発より大きい(火がつきにくい)が
           爆発で発生するエネルギーは、ガス爆発より大きい(被害が大きい)
           粉末の粒子が大きい場合は、粉塵爆発を起こしにくい
開放した空間では、粉塵が拡散するので、爆発しにくい
           有機化合物の粉塵爆発は、不完全燃焼しやすく、一酸化炭素が発生しやすい。

本文
今回は、塊のものより、粉末状の物質のほうが燃えやすいことを説明します。

物が燃えるときに、酸素が必要なのはすでに勉強していると思います。https://richlink.blogsys.jp/embed/b6b63b15-f570-31a0-8e35-95eccd108444

今回は、酸素が触れやすいのは、どういう状態かについて着目します。

たとえば、四角い箱のうちどこが酸素と接しているか考えましょう。
答えはもっとも外側の面だけになります。

しかし、同じ大きさの四角い箱に、粉末をつめると、どうでしょうか。
粉と粉の隙間は空気なので、酸素と接触しています。
なので、酸素と接触している面積は、粉末>塊 となります。

粉末と酸素

これを数字で表すために、ある質量(箱の重さ)あたりの表面積を比表面積と呼びます。

公式は
比表面積 Sm = 表面積 S /(密度 ρ / 体積V ) 

また、球体のときは

比表面積 Sm = 6 / (密度ρ * 球体の直径D)

(導出は後ろに書きます。甲種で公式を忘れた場合は参考にしましょう。)

球体の比表面積は球体の直径に反比例する。
ことは、覚えておいてください。まれに計算問題が出ます。

ということで、粉末は比表面積が大きく、酸素と接触しやすいということが分かりました。
つまり、粉末の状態だと、燃えやすいと言うことです。

比表面積 開設用

これが原因で、以下の特徴的な問題が発生します。
塊のときは危険物に該当しなくても、粉にして形を変えると危険物に該当する物質がある 
 (例 鉄板(危険物じゃない) → 鉄粉(第2類の危険物) )

②空気中に漂っている粉に火がつくと、粉塵爆発が起こる。

hunnzinnbakuhatu

粉塵爆発は以下の特徴を持っています。
・最小着火エネルギーはガス爆発より大きい(火がつきにくい)が爆発で発生するエネルギーは、ガス爆発より大きい(被害が大きい)
・粉末の粒子が大きい場合は、粉塵爆発を起こしにくい
開放した空間では、粉塵が拡散するので、爆発しにくい
・有機化合物の粉塵爆発は、不完全燃焼しやすく、一酸化炭素が発生しやすい

今日は以上です

おまけ
球体のときの比表面積の導出
密度を ρ、直径を r とすると

球の比表面積

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