化学変化②  〜化学平衡〜

第2章
第2章 化学変化

まとめ
正反応  化学式の左から右に進む反応
逆反応  化学式の左から右に進む反応

化学平衡 正反応と逆反応の反応速度が同じになり
見た目の反応が進行しなくなった状態

可逆反応  :反応が正方向、逆方向両方に進む反応。
不可逆反応 :反応が正方向のみしかすすまない反応。

ルシャトリエの法則  平衡状態となった後に、温度や圧力、反応物の量を変化させると
変化を打ち消す方向に平衡が移動する。

化学平衡

本文

今回は化学平衡について説明します。

危険物で勉強する、物が燃える反応は、不可逆反応です。

たとえば、炭(炭素)が燃えて二酸化炭素になる反応式

C + O2 → CO2

は、不可逆反応であり、炭素と酸素が結合して、二酸化炭素になる方向しか反応が進みません
(逆に、CO2が分解して、CとO2になる反応が起こるのであれば、
空気中の二酸化炭素からモコモコと黒い炭ができることになるので、考えられないですよね。)

しかし、たとえばアンモニア(NH3)を精製する化学反応は可逆反応で、
反応式の左から右に進む反応(正反応)と、右から左にすすむ反応(逆反応)が同時に起こります。

N2 + 3H2 → 2NH3

このような反応において、
N2と3H2が化合する速度
と、
アンモニア(NH3)が分解する反応の速度

が同じになったとき、N2と3H2の量とNH3の量が、変わらなくなります。
この状態を化学平衡といいます。

しかし、アンモニア製造工場で、アンモニアをもっと作りたいという立場なのに、
平衡状態に到達したら終わりにせず、もっと作りたい!!と思いますよね。

そんなときに、温度や圧力や反応物の量を変化させると、
アンモニアができる量を、通常の平衡状態より、もっと増やすことができます。(平衡を右に移動させる。)

ルシャトリエの法則と言うものがあり、温度や圧力を変化させると、
変化を打ち消すように平衡が移動します。

ここで、A+2B →  AB2 という反応式を例にとって、ルシャトリエの法則を考えます。

化学平衡

まず、AとBを容器の中に入れて、AB2を作りたいとして、

AとBの量を増やせば、増やしたA、Bが反応するので、AB2の量が増えます
これはOKでしょう。
逆に、容器の中の生成したAB2を、容器の外に出すと、容器の中のAB2が減るので、
AB2をさらに生み出すように、A,Bが化合する方向に反応が進みます。

②容器の圧力を上げると、
同じ容器の中に入っているものの量が多いほど、圧力が高くなるので、
平衡を移動させることで、圧力を下げる方向に反応が進みます。
ここでは、反応前がA,2Bの3mol、反応後がAB2の1molになるので、
反応を正方向に進めたほうが、ものの量が減り、圧力を下げれます。

温度を上げると
正反応が発熱反応になる場合、正反応方向に反応がすすむと、周りの温度をさらに上げてしまうため、
今度は、逆反応が進みます。
なので、AB2をとりたければ、容器を冷やして、発熱反応が進むようにしなければいけません。

触媒について、
触媒は、平衡を移動させる効果はありませんが、平衡状態に至るまでを早くすることができます。
なので、AB2をもっと早く得たいのであれば、有効ですし、
反応したAB2をさっさと容器から取り出せば、AB2がどんどん生成されます。

今日は以上です。

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